私のジャンルに「神」がいます

『私のジャンルに「神」がいます』 真田つづる

著者twitterにて発表(@sanada_jp)(単行本:KADOKAWA)

内容紹介
憧憬、羨望、執着、嫉妬、愛…同人活動をする者達のほぼ全てがここにある

類まれなる文章力で二次創作界に燦然と輝く天才字書き・綾城(あやしろ)。同ジャンルの者達はその作品に焦がれ、打ちひしがれ、彼女に馴れ馴れしくリプを飛ばす「おけけパワー中島」への憎悪をくすぶらせていくのであった……。

天才字書きをめぐる創作者たちの葛藤を綴った連作。

書籍描きおろしとして、綾城が小説を書き始めた頃を描いた「天才字書きの生まれた日」を収録。綾城と中島が出会ったばかりの時期が明かされます。
KADOKAWA公式サイトより引用)

管理者より
「絵描き」の対として「字書き」(文章で同人活動をする人のこと)という単語があることすら知らなかった私ですが、どこの世界にも通じる「持たざる者の苦悩」にあるある!分かる!と共感してしまいました。

SNSで特別な関係を築いている他者(この作品における「おけけパワー中島」)に対するやっかみというのは、一見するとリプライが可視化されてしまった現代ならではの話に思えますが、昔からコミュニティの内輪というものはありますし、HP時代にもコメント機能がありましたし、今も昔も変わらないだろうと思います。

ともあれこの漫画の素晴らしいところは、嫉妬や承認欲求という負の感情が、作品を作るためのパワーとして前向きに昇華されるところです。足を引っ張る方向にいかないのが良いですね。

この単行本は真田つづるさんが個人twitter@sanada_jpで発表された作品をKADOKAWAレーベルでまとめたものです。最近これと同じように(別の作家ですが)『姫と騎士たち』という作品もtwitterからKADOKAWA経由で出版されたので合わせてオススメします。

実は天才との出会いと挫折、というテーマでくくると『K』という名作野球漫画(Web漫画)がこれにかなり近いです。(参考までに⇒『K』第198話)あわせてオススメしちゃいます笑

参考画像(画像クリックで引用話数表示)

”私のジャンルに「神」がいます” 1巻第2話より引用
”私のジャンルに「神」がいます” 1巻第2話より引用
”私のジャンルに「神」がいます” 1巻第4話より引用
”私のジャンルに「神」がいます” 1巻第4話より引用

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