世界観の輪郭と物語の展望がはっきりと見えてくる3巻です。明らかになる空閑(くが)の過去とボーダー内の実力者たちの顔、ここからワールドトリガーがどう盛り上がるのか気になって仕方なくなること請け合いです。
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ワールドトリガー 1巻 考察1 2巻 4巻 5巻 6巻 7巻 8巻 9巻 10巻以降
3巻は物語がとても展開する巻で、
- 空閑の父親の名前登場
- 空閑の過去の回想
- 玉狛支部入隊
- 遠征部隊の急襲
と内容目白押しです。
2巻最後で空閑(くが)の持つトリガーが黒トリガーであることが判明し、ボーダーの司令である城戸は、同じく黒トリガーを持つ迅に「近界民(ネイバー)(←空閑のこと)を始末して黒トリガーを回収する」ように命令します。城戸司令の冷徹さもさることながら、ここで迅も黒トリガーを持っているということが判明します。
(ここから脱線)
…黒トリガーってなんだっけ?と忘れてしまった人は2巻最後を読むとよいでしょう。黒トリガーとは、「優れたトリオン能力を持った使い手が死後も己の力を世に残すため自分の命と全トリオンを注ぎ込んで作った特別なトリガー」です。要は命と引き換えに作られる超強力な武器です。じゃあ空閑と迅の持つ黒トリガーがそれぞれ誰の命と引き換えに作られたのか…と気になるところですが、その点についてはこの3巻の中であとあと明らかになります。
(脱線おわり)
しかし迅は城戸司令に直接の指揮権は無いということを指摘し、城戸司令の命令を拒否します。これはなぜかというと、隊員への命令は必ず本部長や支部長を間に通さないといけないからです。
じゃあその支部長が同じ命令をすればもう拒否できないよね、という話なのですが、玉狛支部長の林藤は迅にこのように命じます。「黒トリガーを捕まえてこい ただしやり方はお前に任せる」と、城戸司令の目の前で。このあたりは大人同士のいやーな世界ですね。近界民(ネイバー)に対する敵対的もしくは友好的な姿勢の違いから、ボーダー内の派閥争いが露見します。さらに、空閑の名前を知って、城戸司令を含む一部の幹部たちは表情を一変させます。
空閑の父親の正体とは…?
会議が終わり合流する迅悠一、三雲修と空閑遊真、雨取千佳の四人。やり方を任された迅は、まず遊真にボーダー玉狛支部に来てみないかと誘います。入隊するかどうかはともかく玉狛支部に立ち寄った遊真と修と千佳の3人、そこでさまざまなことが明らかになります。遊真が「モガミソウイチ」に会うためにこちらの世界に来たこと、その最上が迅の持つ黒トリガーを残して死んでいたということ、遊真の過去の回想、遊真がこちらの世界に来た本当の目的…などなど。
1巻冒頭で「親の形見」と言っていた指輪こそが、遊真の黒トリガーだったのですね。回想で登場する黒髪で精神的に少し未熟な遊真はなかなか新鮮でした。
最上宗一の件で、遊真はこちらの世界にいる理由どころか生きる理由さえも失ってしまいました。そこでレプリカは修に遊真に生きる理由を与えてやってほしいと頼みます。悩む修ですが、そこにもう一つ別の契機がころがりこみます。それはボーダーに入隊して近界民(ネイバー)の世界に行きたいという、千佳の決意でした。
修から遊真への説得もあり(実はここがいいシーンなんです)、斯くして近界民(ネイバー)の世界に行くために隊(チーム)を組んでA級隊員を目指すことにした修、遊真、千佳の三人です。
個人的に、おおおこういう方向に物語は発展していくのか~と読んでいて燃えました。やっぱり漫画は3巻まで読まないとわかりませんね。2014年はワールドトリガーの年になるでと思うほどにニヤッとしました(ジャンプで最新の状況を知っているというのもあるのですが)。
A級昇格を目指してさっそく修行を始める修、遊真、千佳の三人。で、ここで三人にそれぞれ師匠としてつく玉狛支部の人たちがみんなイケメンなんですね。特に小南(こなみ)さんが可愛いです(性格も含めて)。一方で、城戸司令も手をこまねいているわけではありません。A級1位~3位という遠征部隊の帰投とともに、彼らに黒トリガー確保を命じます。
…が、そこでまた迅さん(+援軍)が活躍してくれそうな雰囲気を見せてくれます。
集団戦ですよ、市街戦ですよ。
A級上位の精鋭がどう戦うかも見物ですし、迅の黒トリガーのお披露目もあるかもしれません。4巻が楽しみでしかたありません!!
という3巻でした。盛り上がってきたワールドトリガーです。設定を忘れてしまった、キャラの名前を復習したい、という人は、是非単行本を買っておさらいしましょう(笑)
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