スパロボBGMで振り返る『鬼滅の刃』(前編)

今回は週刊少年ジャンプで完結した『鬼滅の刃』のキャラクターに似合いそうなスーパーロボット大戦(スパロボ)のBGMをまとめました。

参考にしたのは昔ニコニコ動画で見た『東方キャラにスパロボOGの曲を付けてみた』という動画です。

「スーパーロボット大戦」というゲームは、キャラクター一人一人に戦闘BGMが存在するので、上の動画のように全く違う作品のキャラクターに対して、このキャラにはあのスパロボのBGMが似合いそうだ!と合わせる遊びがしやすいです。(あと単純に良曲が多いです)

ただし鬼滅の刃はスパロボに比べて女性キャラが少なかったので、泣く泣く曲を絞っております。選ぶのに苦労しました。

もう少し補足すると、スパロボというゲームはマジンガーZやガンダム等の版権作品を集めて一緒に戦わせるゲームですが、ゲームオリジナルのキャラクターと機体も登場します。今回はそのゲームオリジナルのBGMを紹介しております。

また歴代のオリジナル機体とキャラだけを集めたオールスターのシリーズも存在して、それを「スーパーロボット大戦Original Generations(スパロボOG)」と呼びます。

それから「鬼滅の刃」のネタバレになる内容を含みますので、ネタバレNGの方はブラウザバック願いますm(__)m

鬼滅の刃全23巻分のうち、1~15巻分を前編、16巻~23巻を後編に分けております。今回は前編です。後編は下記リンクからどうぞ。

スパロボBGMで振り返る『鬼滅の刃』(後編)

序盤~那田蜘蛛山(1巻~6巻)

  1. 竈門 炭治郎:『瞳の中の明日』

『瞳の中の明日』(BGM出典:第三次スパロボZ)

主人公である炭治郎には、第三次スパロボZの主人公ヒビキのBGMを選びました。理由はひたむきな印象が炭治郎にとても似合うのと、ヒビキ後継機のBGMが炭治郎(日の呼吸)に似合うからです。(そちらは後編で紹介するのでお楽しみに)

  1. 我妻 善逸:『闘志、果てなく』

『闘志、果てなく』(BGM出典:第二次スパロボOG(初出は第三次スパロボα))

善逸には雷(プラズマ)つながりで第三次スパロボαのスーパー系主人公トウマのBGMを選びました。雷凰カッコいいですよね。出典は第二次スパロボOGと書いておりますが、スパロボα版の方が好きなのでBGMのリンクは第三次スパロボαの方です。

善逸が登場する3、4巻といえば鼓屋敷での攻防が見どころですが、このあたりの序盤の戦闘は「敵の数や全貌が分からない」という怖さもあって良かったと思います。(ジョジョ的な面白さ)

善逸のBGMは後編でもう一つ紹介する予定なのでそちらもお楽しみに。(スパロボを知っている人からすると丸わかりだと思います笑)

  1. 嘴平 伊之助:『VANISHING TROOPER』

『VANISHING TROOPER』(BGM出典:スパロボOGs(初出はスパロボα))

じゃじゃ馬という印象が強い伊之助にはスパロボαのリアル系主人公の機体、ヒュッケバインMK-IIのBGMを選びました。出典はスパロボOGsと書いておりますが、スパロボα版の方が好きなのでBGMのリンクはスパロボαの方です。

面の下に美少年の顔が…という発想自体そこまで珍しくはないですが、伊之助の面白いところは最後までこの猪の皮を被り続けたことだと思います。ガンダムWのゼクスのように後半はずっと素顔を出しっぱなしという作品も多いので、ファン的な期待に妥協せず伊之助のこだわりを尊重し続けたのは良いことだと思います。

伊之助のBGMも後編でもう一つ紹介する予定なのでそちらもお楽しみに。(スパロボを知っている人からすると以下略)

  1. 冨岡 義勇(水柱):『ICE MAN』

『ICE MAN』(BGM出典:スパロボOGs(初出はスパロボα))

クールな義勇さんにはライディース・F・ブランシュタインのBGMを選びました。実は姉という共通点もございます。(ライの場合は義理の姉ですが)

義勇さんといえば水の呼吸の拾壱ノ型・凪が特徴的ですが、作中後半では凪で凌ぎ切れない敵の攻撃も多く登場します。それがアニメでどう描写されるのかが楽しみです。(漫画の描き方もかなり好きだったので)

  1. 胡蝶 しのぶ(蟲柱):『BE A PERFECT』

『BE A PERFECT』(BGM出典:スパロボOG外伝)

ミステリアスなしのぶさんにはスパロボRの敵幹部キャラのBGMを選びました。(『WOMAN THE COOL SPY』とどちらを選ぶかかなり悩みました)正直なところアニメのしのぶさんのねっとりした喋り方はあまり好きではないです。

単行本の解説でも語られておりますが、しのぶさんの継子はカナヲの前にもいましたが全員死亡しております。このあたりもなかなか壮絶ですよね。。。

  1. 累(下弦の伍):『VIOLENT BATTLE』

『VIOLENT BATTLE』(BGM出典:スパロボOGs(初出は第三次スーパーロボット大戦))

那田蜘蛛山に登場する鬼達をまとめて、スパロボ旧シリーズの敵幹部BGMを選びました。

スパロボOGsでは幹部BGMに加えて敵の大将、ウェンドロ用のBGM(『裁く者、裁かれる者』)も追加されているのですが、累の理不尽な強さにはVIOLENT BATTLEの方が似合うと思い、こちらを選択しております。

  1. 鬼舞辻 無惨:『全能なる調停者』

『全能なる調停者』(BGM出典:スパロボOGs(初出はスパロボα))

無限城の無惨にはスパロボαの敵会話BGMを選びました。

鬼滅の刃のアニメの感想で「下弦の陸の髪型が『よつばと!』のよつばと同じ」というコメントがあって笑いました( ´∀` )

スパロボαは会話中にキャラクターが瞬きしたり口パクしたりとかなり凝っていて良かったですよね。あと会話で思い出すのが、オリジナル敵幹部の中にしれっとシャピロ(ダンクーガのキャラ)が混ざっていたことです。

無限列車編(7巻、8巻)

  1. 魘夢(下弦の壱):『Moon Knights』

『Moon Knights』(BGM出典:スパロボOGMD(初出はスパロボJ))

魘夢には幻想的なBGMが似合うと思いスパロボJの敵幹部BGMを選びました。

魘夢は初登場の言動と燕尾服から「紳士的な風貌をしたサイコパス」という第一印象を受けますが、一人称は”オレ”だったり、上弦の鬼にのし上がりたいという欲求を持っていたりと、意外にも野心的なキャラだったりします。

劇場版も楽しみですね。

  1. 煉獄 杏寿郎(炎柱):『The Watchdog of Hell』

『The Watchdog of Hell』(BGM出典:第二次スパロボOG(初出はスパロボMX))

熱血漢な煉獄さんにはスパロボMX主人公ヒューゴのBGMを選びました。

この煉獄さんの柱としての圧倒的な強さ、そしてそれを更に上回る上弦の鬼の存在、この無限列車編の結末は当時ショッキングでもありましたが、この「鬼滅の刃」という作品がジャンプ本誌で注目され始めたきっかけの一つでもあったと思います。

  1. 猗窩座(あかざ)(上弦の参):『破界の王』

『破界の王』(BGM出典:第二次スパロボZ)

徒手空拳ながらも鬼殺隊を圧倒する強さを持つ猗窩座には、第二次スパロボZのラスボスであるガイオウのBGMを選びました。

猗窩座と炭治郎の因縁はこの鬼滅の刃の面白さの芯でもあったと思います。

とてもしょうもない話ですが、猗窩座の目を初めて見たときレクサスLCを連想しました。猗窩座のBGMも後編でもう一つ紹介する予定なのでそちらもお楽しみに。(先に言いますが『無窮の闘神』ではないです)

遊郭編(9~11巻)

  1. 堕姫(上弦の陸):『MARIONETTE MESSIAH』

『MARIONETTE MESSIAH』(BGM出典:スパロボOGs(初出はスパロボα))

上弦の紅一点の堕姫にはスパロボαの敵幹部レビのBGMを選びました。出典はスパロボOGsと書いておりますが、スパロボα版の方が好きなのでBGMのリンクはスパロボαの方です。

9巻の見どころは堕姫(蕨姫花魁)のレースタイツだと思います。(この時代にタイツと呼ぶか分かりませんが)

展開上仕方ないですが、堕姫vsしのぶや、堕姫vs蜜璃という組み合わせのバトルも見てみたかったです。

  1. 竈門 禰豆子:『彼女は前だけを見て進む』

『彼女は前だけを見て進む』(BGM出典:スーパーロボット大戦V)

鬼化覚醒した禰豆子にはスパロボVの女主人公チトセの後継機BGMを選びました。左腕復元はお約束。それから『エルフェンリート』でもありましたが、覚醒して角が伸びる演出は大好きです。

ヒロインでありながら後方支援や回復役ではなく前線で戦う禰豆子は少年誌の中でも珍しいと思います。(そもそもかまぼこ隊のパーティは剣士かバーサーカーしかいませんが笑)

また逆に敵側の鬼が禰豆子のように身体を縮小拡大させてきたら厄介だろうな…と思っておりましたが、そういう敵も後の「刀鍛冶の里編」で登場します。

  1. 妓夫太郎(上弦の陸):『THE ARROW OF DESTINY』

『THE ARROW OF DESTINY』(BGM出典:スパロボOGs(初出はスパロボα))

堕姫にMARIONETTE MESSIAHを選んだので、それとセットで同じくスパロボαのボスBGMを選びました。(こちらもスパロボOG版ではなくα版です)

このTHE ARROW OF DESTINYを聴くと、スパロボα外伝のバット将軍やギンガナムを思い出す人も多いと思います。

ジャンプ本誌で読んでいた当時は確かに遊郭編の戦闘ちょっと長いな…と思っていたのですが、今見返してみるとそんなことは無かったです。(堕姫相手に少し引っ張り過ぎた感はありますが)

  1. 宇髄 天元(音柱):『轟き、覇壊せし者』

『轟き、覇壊せし者』(BGM出典:スパロボOG外伝)

音柱の天元にはスパロボCOMPACT3の主人公フォルカの後継機BGMを選びました。

天元がいなければ当然ながら妓夫太郎と堕姫の二人には勝てませんでしたが、天元だけでも駄目だった…という塩梅がとても良かったと思います。

天元の弟は特に本編で登場しませんでしたが、もしかしたら番外編やアニメオリジナルで補完があるかもしれません。(鬼飼いする忍の里的なものがあったかも。無惨製の鬼は本編ラストで全て消えますが。)

刀鍛冶の里編(12~15巻)

  1. 時透 無一郎(霞柱):『22nd CHILD』

『22nd CHILD』(BGM出典:第二次スパロボOG)

日の呼吸の使い手の子孫という因果(因子)のある無一郎には、第二次スパロボOGの主人公の一人、イングのBGMを選びました。

無一郎と蜜璃の登場も衝撃的でしたが、それ以上にからくり人形の縁壱零式の登場は印象的でした。それから無一郎とは関係ないですが、第100話「いざ行け里へ!!」のセンターカラーでかまぼこ隊が衣装交換してボーズを取っている絵がとても好きです。

  1. 半天狗(上弦の肆):『THE GATE OF MAGUS』

『THE GATE OF MAGUS』(BGM出典:スパロボOGs(初出はスパロボα外伝))

半天狗は最終形態の憎珀天の姿がベルゲルミルという機体に似ているのでスパロボα外伝の敵幹部BGMを選びました。

憎珀天で一番印象に残っているのが14巻終盤で恋柱の肉体を震わせた「狂圧鳴波」という技です。漫画では描写に限界があるため、肉を震わせて服を弾け飛ばした過程が分かり辛いですが、アニメーションにするとかなりえぐい攻撃になると思います。(ソニックブームのような大音圧を受けて振動が身体を駆け巡る)鬼滅の刃のアニメのクオリティなら、この攻撃の描写にも期待したいですね。

  1. 不死川 玄弥:『CLOSE GAME LIFE』

『CLOSE GAME LIFE』(BGM出典:第二次スパロボZ)

一時的に鬼の体質になれる玄弥には、揺れる天秤のスフィアを持つ第二次スパロボZの主人公クロウのBGMを選びました。

直接的な回想はありませんでしたが、最終選別で日輪刀にあれだけ拘っていた玄弥が、自分では全集中の呼吸を使えない(刀の色が変わらない)という事実を突きつけられたときのショックは相当のものだったろうと思います。

そして14巻ラスト第124話の「いい加減にしろ バカタレ」というサブタイトルが好きです。

  1. 玉壺(上弦の伍):『ARMAGEDDON』

『ARMAGEDDON』(BGM出典:スパロボOGs(初出は第三次スーパーロボット大戦))

刀鍛冶の里に大きな恐怖をもたらした玉壺には、スパロボ旧シリーズのラスボスBGMを選びました。個人的にこのARMAGEDONという曲は、スパロボOG1のヴァルシオン改と戦うマップのBGMの印象が強いです。

玉壺の真の姿の攻撃は「殴った相手を鮮魚にする」という少しシュールなものではありますが、即死攻撃には違いないので相当強いのだろうと思います。

  1. 時透 無一郎(霞柱、覚醒):『LOST CHILDREN』

『LOST CHILDREN』(BGM出典:第二次スパロボOG)

半天狗、そして玉壺という上弦の鬼によって窮地に立たされる鬼殺隊、その反撃の狼煙となる無一郎の覚醒!ということで22nd CHILDに続くイングの後継機のBGMを選びました。

この切なさとヒロイックを併せ持つLOST CHILDRENという曲はスパロボシリーズでも屈指の名曲だと思います。またこの曲は半天狗の紹介で挙げた「THE GATE OF MAGUS」とリンクしているので聴き比べてみてください。

それから回想の無一郎と有一郎の丈の短さはエロいですよね。多分あまね様も涎を垂らしながら山小屋に通っていたと思います。(邪推)

  1. 甘露寺 蜜璃(恋柱):『Powerful Eater』

『Powerful Eater』(BGM出典:スパロボOGMD(初出はスパロボJ))

曲のタイトル通り大食いな蜜璃には、スパロボJの最強攻撃BGMを選びました。(このスパロボJは同乗するサブパイロット(ヒロイン)を三人の中から選択することによって、最強攻撃技とそのBGMが変わります

蟲柱も相当ですが、今考えても”恋柱”というのは常人では思いつかないセンスだと思います。しかもロマサガ2のロックブーケのような幻覚・誘惑系ではなく、炎の呼吸の派生という真っ向から戦う本格派であるのが面白いですね。

ミオスタチン異常で『嘘喰い』の箕輪を思い出した人も多いと思いますが、個人的には蛇腹剣つながりで『キメラ』という漫画に登場するドリスを思い出しました。

前編はここまでです。後編に続きます。

スパロボBGMで振り返る『鬼滅の刃』(後編)

後編まで我慢できない、セットリストだけでも早く見たいという人はこちらをどうぞ。

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