管理者より
ここ最近はクマの人的被害のニュースが増えたこと、また『ゴールデンカムイ』など北海道を舞台にした漫画・アニメ作品の影響もあって、クマの恐ろしさが周知されつつあるように思います。とはいえ、クマに遭遇したとき人間にできることは今も昔も変わりません。幸運にも逃げのびられるか、死ぬか、のどちらかです。襲われれば身体が小さい人間は”負けて終わります”。
そんなクマ、しかも北海道に住むエゾヒグマを狙って「単独忍び猟」をするという、極限の世界で生きる猟師が、この漫画『クマ撃ちの女』の主人公チアキです。
この漫画の面白いところは、寓話ではなくちゃんとした「ヒグマを狙う現代のハンター」のお話であることです。獲物がヒグマである、という点以外は他の狩猟と何ら違いはありません。狩猟できる期間、場所、そして銃の取り扱いなど、ルールを遵守することが基本原則としてあり、その延長でクマに命懸けで挑む緊迫感が、狩猟漫画として読み応えあります。(真似するのは難しいと思います笑)
また主人公の狩猟技術にしても、学生の頃からの師である姉とおじ、ジビエ店を営む光本、そして猟友会の北見さんなど、他人に教わり、そして自らの長い経験を経て培われたものです。私が個人的にこの漫画を好きだなと思うのは、「人に教えを乞い学び、自分の足で正解を探る」そんな謙虚さがあるところです。
さて一番の核心として、そもそもなぜチアキが執拗にクマを追うのか、その理由はチアキが学生の頃、冬のシカ猟中に”穴持たず”のクマに姉を襲われ、姉が重症を負ったためです。このエピソードは2巻に収録されていますが、なかなかショッキングで…、大柄なクマに突進されなすすべがなくなる、生物としての人間の矮小さを改めて感じさせられました。
このチアキの姉を襲ったクマは作中で”牙欠け”と呼ばれ、8巻以降はこの牙欠けによる人的被害が広がり、チアキと牙欠けの因縁はさらに深まっていきます…。
管理者イチオシの漫画です。まずは3巻までどうぞ。
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