小早川伸木の恋

『小早川伸木の恋』 柴門ふみ

掲載雑誌「ビッグコミック」(小学館)

内容紹介
小早川伸木、35歳。大学病院に勤務する外科医で、妻と5歳の娘がいる。やりがいのある仕事、幸せそうな家庭。だが実際は、医局の人間関係に疲れ、妻の嫉妬心と我がままに振り回される日々を送っていた。そんな伸木は、ある日、友人が開いている盆栽教室で作田カナという女性に出会う…
Amazon商品ページより引用)

管理者より
この作品は『白い巨頭』や『医龍』など、医局を描いた医療ドラマが特に流行していた2000年代前半の作品です。

大学病院内での政局や人間関係のいざこざも描かれる本作ですが、それよりも本作品の一番の見どころは、主人公の妻「紗子」と、主人公が心を奪われる「作田カナ」の二人の特徴的なキャラクターです。

特に紗子は(安っぽい言葉であまり好きではないですが)いわゆる「ヤンデレ」というものに相当するでしょう、虐待のトラウマもあってか、ただのヒステリックに収まらぬ言動で主人公を振り回し続けます。ただし逆に現代でこそ、こういうキャラクターは受けそうだなと思う部分もあります。(『少年のアビス』等の人気作品を見ていて)

これはある意味で「時代が追い付いた」と言えるのかもしれません。

少し脱線しましたが、そんな妙子とは対称的に、ミステリアスで慈悲深い作田カナというキャラクターの描写も見事です。読んでいくうちに、この人には勝てないなと思わされます。

真面目一筋で通した男の愛の物語ですが、多忙極まる仕事と家庭の板挟みの中で育まれる愛は、最終的に法廷で決着される展開となります。

最後まで読み応えがあって、『五年生』、『うそつきパラドクス』と並んで定期的に読み返したくなる私にとっての恋愛バイブルのような一冊です。

参考画像

試し読みをする

Amazonへのリンクはこちら
小早川伸木の恋(1) (ビッグコミックス) Kindle版 (全5巻)
小早川伸木の恋 (1) (ビッグコミックス) コミック – 2005/1/28 (全5巻)