のりりん(1) (イブニングKC)
鬼頭莫宏
イブニングで絶賛連載中のロードバイク入門漫画、「のりりん」の紹介です。大人の趣味をこうも面白く描ける作品は、なかなか無いと思います。
「チャリ乗ってるやつは死ねばいいんだ」
車道を走る自転車(ロードバイク)を見て、車の中から遠慮なくクラクションを鳴らす主人公の丸子(まりこ)一典、このように自転車を毛嫌いする彼は、不覚にも自転車との右直事故に見舞われてしまいます。
右折をしようとしていた丸子の車のフロントの上を飛び越えていったロードバイクの運転手は、なんと女の子でした。
この娘の名前は織田輪と言います。名前から察する通り、輪の家は家族みなロードバイクを本格的に乗りこなしていました。輪の家で車のボンネットと自転車の修理代について示談する折、丸子は輪の母親である陽子から、ロードバイクに乗ることを勧められます。
自転車に乗りたくないだけでなく、自転車に乗る人間も嫌いだとはっきり言う丸子に対し、陽子は何食わぬ顔で強硬策にでます。なんと丸子の車の鍵を通りがかった軽トラの荷台に投げ入れたのです!!
「ロードなら 次の信号待ちで追いつけるかもね」
自転車に乗らざるを得なくなった丸子ですが、ロードに乗るのは初めてでした。
なんとか事なきを得たものの、厄日はこれで終わりません。
合コンで飲んだ仲間の送り迎えを頼まれて運転している途中、助手席の杏(からもも)からお酒を口移しで飲まされて急ブレーキを踏んでしまいます。しかもその現場を因縁のある知り合いの警官に見られ、蓄積していた違反もあって、自動車免許を取り消されてしまいます。
このように外堀を埋められ、自転車に乗らざるを得なくなった丸子ですが…という一巻です。
この作者の鬼頭さんといえば鬱展開の漫画を描かれてるイメージの人が多いかもしれませんが、本作はそんなことはまったくありません。趣味全開でコミカルで熱血で甘酸っくて、とても読みやすい漫画です。
扉絵のコラムや裏表紙に本作品で登場するロードバイクや用品の解説もあって、実際にロードバイクに乗っている人、興味がある人に特にお勧めな漫画だと思います。
のりりん(1) (イブニングKC)
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