「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 新編/叛逆の物語」感想

普段アニメをあまり見ない僕が、アニメの感想をこのブログに書くなど夢にも思っていませんでした。しかし今回は「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 新編/叛逆の物語」の感想を書かせていただきます。いや本当に、想像以上に面白くてびっくりしました。(以下、ネタバレあります。)

僕はまどマギはTV本編を一周見た程度で、前後編の劇場版は見ていませんでした。今回の映画も「エヴァQと一緒でこのまま見逃しちゃうんだろうなー」と思っていました。ただ偶然友人に誘われたので昨日の日曜に109で見ました。ポストカードはマミさんでした。

で、感想なのですが、むちゃくちゃ面白かったんです。

 

1、面白いストーリーとはどいういうものか
何が面白かったのかを説明する前に一つ言っておきたいことがあります。

それは、「面白いストーリーとは、視聴者の予想を裏切り、なおかつその期待に応えるものである」という事です(キリッ これは僕が漫画をたくさん読んできたなかで達した結論の一つです。

なぜこんな話をするのかというと、僕はまどマギのTV本編に関しては、ストーリーよりも人物の叙情的な描写が印象に残っていたからです。ネット上などでは、魔法少女同士が戦ったり、主人公がなかなか魔法少女にならなかったり、という「意外性のあるストーリー」が話題になっていた…と思います。しかしそれは、設定が意外なだけであって、ストーリーが意外というわけではありません。最終的な主人公の変身も物語中でさんざんほのめかされてきた、ある意味順当な流れでしたし、そもそも世界書き換えは夢オチと同じ(暴言)くらいに僕は思っています。どちらかといえば僕は、5話~9話でさやかと杏子がだんだんと通じあっていく様子や、10話のほむらの変遷の様子の克明さが好きでした。あとED曲がとても好きでした。

しかしこの劇場版は違いました。素直にお話の面白さにひかれました。僕の予想を裏切り、なおかつ僕の期待に応えてくれるものだったのです。

 

2、どこが期待に応えてくれたのか
一番僕の期待に応えてくれた点、それは何よりも「この映画がTV版の正統な続編であったということ」です。

最初の30分くらいはほむらの結界内にいる魔法少女たちが、嘘の記憶と知らずに日常を過ごしている、というある意味茶番のようなもので、この茶番が少し長かったので、途中少し不安に感じてしまったんですね。五人が力を合わせて…というのはおまけで充分だよくらいにしか思っていなかったので、「あまりパラレルとかifとかやられると…、ネットの二次創作願望に毒されてるのかな?」くらいの穿った見方しかできませんでした。

そもそも最初の1分で、「はいはいザナルカンドザナルカンド」でしたし、この嘘の世界は誰のせいなの…?というヒキにも、「ほむらしかいないだろ、わかってるよ、そこでひきのばさなくていいから…」としか思えませんでした。

しかし、ちゃんとその起点にはインキュベータの存在があり、インキュベータたちが円環の理と化したまどかに対してのアクションをとっていたという、物語の正統な発展に安堵したのです。そうだよ、それが見たかったんだよ。で、ここからどう来るんだ!?と叫びたくなりました。

 

3、どこが予想を裏切ってくれたのか
それは、さやかとビビがただの「虚構」でなかったところです。

上でも言ったとおり、パラレルなお話が少し長く続きすぎたので、このままだとちょっと…と心配に思っていたのですが、さやが「魔女」という単語を発したこと、これがターニングポイントでした。心の中でガタッとなりましたよ。もしかしてこの映画は化けるんじゃないかと胸がどきどきしました。

このおかげで、登場人物すべての”救い”が見れたと思います。魔女化したほむらと、魔法少女4人が闘うときのカタルシスは半端でありませんでした。冒頭のセーラームーンごっこなど比較にならないほどです。

 

4、あの結末はどうなのか
あれは僕も意外でしたが、まあ、そこは作る人の自由ですしね。続編が来るか?と期待したくなる気持ちも分かりますが、どうでしょう、個人的には無さそうな気がします。芥川龍之介の羅生門だって、最後おばあちゃんの服を剥いじゃいますけど、そのあとに下人とおばあちゃんが戦う続編は出ませんでしたからね(笑) (しいて漫画の例を挙げさせてもらうならば、「メイド諸君!」の読後感と似ていました。しいて挙げれば、です)

 

5、まとめ
意外に話が分かりやすくて、一周でスルーっと呑み込めました。難解な伏線の投げっぱなしというのも無くて、その点も好感が持てました。と言ってもTV版を見ていないと何がなんだか…だと思いますけど(笑) 印象に残った場面としては、まどか、さやか、マミ、杏子の4人がほむらを救おうとするシーンがやはり一番盛り上がって、うおぉ!となりました。とてもスカッとしましたねー。TV版が「繊細、かつ大胆」であったのが、劇場版は「繊細、かつ豪快」だったように感じます。音楽も美術もとても良くて、こんなに良いアニメ映画を久しぶりに見れて、とても幸せでした。

 

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