『神戸在住』 木村紺
掲載雑誌「アフタヌーン」(講談社)
内容紹介
東京出身で神戸の北野にある神戸中央大学校(モデルは神戸山手大学・短期大学)に通う主人公の女子、辰木桂の大学生活を中心に、彼女とその周りを取り巻く人間模様がほぼ一話完結のエッセイ風に描かれている。
タイトル通り、神戸近辺を舞台にしているため、特に阪神・淡路大震災の話が度々描かれている。また国際都市神戸としての多様性を象徴するように多様な背景を持った人々が登場する。
出会いと別れ、死、地域性や人種・民族、病苦や障害などに焦点を当てたストーリーが特徴的である。
(Wikipediaより一部抜粋)
管理者より
私は『巨娘』や『マイボーイ』を先に読んで木村紺を知ったので、こんな情緒的で静かな漫画を描かれていることを知らずに読んで大変驚きました。
神戸の女子大生である主人公の視点から一話ごとに様々な景色を切り取っていく物語で、ベタやトーンを使用しないという特徴的な技法で描かれる誌面がどこかノスタルジックさを感じさせます。
普通の漫画のように人が吠えるドラマティックさはありませんが、リアルなドラマがあって、特に3巻で描かれる阪神淡路大震災に関するエピソードは必見だと思います。
噛めば噛むほど味が出るような漫画で、2000年代のアフタヌーンの雰囲気を味わいたい(思い出したい)人にもオススメです。
『電脳コイル』のヤサコや、この神戸在住の桂っちのような優しい女の子の主人公がもっと増えてほしいですね。
それからこれは既読の方向けの感想なのですが、最後の10巻エピローグで明かされた日和(ひなた)さんのお話、あの達成感と開放感に包まれ目を閉じた話に私は一番胸を打たれました。(そしてなぜか大きく共感してしまいました)
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