名言その33
「「人間だもの仕方ねえさ」で片付く程度の問題だ…」
『鈴木先生』の6巻より抜粋しました。
この叱り方、というよりも諭し方でしょうか。
なんて遠まわしな言い方なのだろうと思いませんか。
結論から言ってしまえば、
駒井に「きめ細かく気遣って行動して」
本木に「もっと心を広くもって注意の仕方も考えて」
みてはどうか、と呼びかけているだけです。
しかしただ呼びかけるだけでは、生徒の心に残らない可能性があります。
「注意されてしまったな」と思うだけで、本来ならば自分は叱られてもおかしくなかった、
ということすら気づかずに、すぐに忘れてしまうかもしれないのです。
だからといって叱りつける程のことでもありません。
その理由は鈴木先生が言っていますね。
以上のことを踏まえて鈴木先生は、
「駄目だからもっとこうしろと俺は言いいたくない。だがもっと高みを目指してはどうだ。」
と生徒に投げかけています。
でも実はこれ、「本当は言いたくないんだけど―」と前ふりを置きつつも結局すべて言ってしまうような、ちょっとずるい技法の一つですよね。
批判しているわけではありません。つくづく鈴木先生はしたたかだなと感心しているだけです。
その呼びかけの仕方にしても、「普通」という言葉の意味を損なわずに、
生徒に「普通のままでいいのだろうか」と考えさせるように、効果的に誘導していますから。
いやはや恐ろしい…。
Amazonへのリンクはこちら
鈴木先生 (1) (ACTION COMICS)(全11巻)