ワールドトリガー6巻感想「そう来なくっちゃ」

ワールドトリガー 6 (ジャンプコミックス)
葦原大介

とうとう近界民(ネイバー)による大規模侵攻が始まるワールドトリガー6巻です。待ちに待った人型近界民も登場します。

同作品記事はこちら
ワールドトリガー 1巻 考察1 2巻 3巻 4巻 5巻 7巻 8巻 9巻 10巻以降
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1巻最後に登場した爆撃型トリオン兵「イルガー」と、2巻に登場した偵察用小型トリオン兵「ラッド」、それらの出現から予期されていた近界民による大規模侵攻がいよいよ始まります。

その規模はトリオン兵が通る多数のによって空の色が変わるほどです。(ちなみにボーダーには門を基地周辺に誘導する技術があります。)

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トリオン兵は基地周辺の警戒区域を突破して外の市街地へ向かおうとするので、ボーダーはトリオン兵が市街地に到達する前に、警戒区域内で撃破しなくてはなりません。

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早速出撃する修と遊真、そして警戒区域の外の市街地へ住民の避難を手伝いに行く千佳。

本来は遊真もC級隊員なので基地外での戦闘は禁止ですが、人命のためには規定違反もいとわないチームリーダー修の正義漢ぶりは健在です。

四方に別れ市街地へ向かおうとする敵に対してボーダーも戦力を分散させて対応します。侵攻を予知できただけあって早々に到着しはじめるボーダーの部隊は順調にトリオン兵を排除していきます。

しかしここで倒したトリオン兵の中から、謎の新型トリオン兵が登場します。(ブラッディ2か!)

今までのトリオン兵に比べて人に近い形をしているこの新型は戦闘力が高く、隊員を捉え始めます。それもそのはずでこの新型トリオン兵「ラービット」は、一般人ではなくトリガー使いを捕獲するためのものだからです。B級隊員が苦戦するなか、とうとうA級のチームが合流します。一番乗りはA級3位の風間隊でした。本当に風間さんはこの作品のキーパーソンになってますねw

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全体的な戦局としては、このラービットの出現によってボーダーはかなり劣性に追い込まれます。なぜなら元々こちらよりも数の多い相手に戦力を分散させて対応しようとした矢先に、戦闘力の高いラービットが現れたからです。

『分散した正隊員をラービットで捉える』 『ラービットに戦力を集めれば他のトリオン兵で市街地を襲う』

という相手の術中にはまらざるを得なくなるなか、中村名人忍田本部長は『交戦中の部隊はA級合流まで戦力の維持を最優先させてA級部隊が合流し次第、ラービットはA級チームが対処し、B級部隊は全部隊合同で市街地の防衛に向かう』という指示を出します。

なぜB級が全部隊合同なのかというと、トリオン兵を追った先でまたラービットが現れる可能性があるからです。マジメゆえの苦労性かと思われていた忍田本部長ですが、意外と柔軟かつ冷徹に捌けることが判明しました。(←作者談)

もっとも、全部隊合同で動くとなると防衛する地区の優先順位を決めなければなりませんし、そもそもA級チームがラービットに対処できなければ、この作戦は成り立ちません。中村名人忍田本部長は

「有り得べからざることだか その場合は 私が出る」

と豪語します。彼の期待どおり風間隊はラービットの攻撃をしのぎ、反撃の足掛かりをつかみます。

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と、ここで高みの見物をする人型近界民の初登場です。角が生えたシルエットが特徴的ですね。会話から察するに人型近界民の戦闘参加もありえそうです。どのようなトリガーを使うのか楽しみですね。

一方で修と遊真の前にもラービットが出現します。遊真は躊躇なく黒トリガーを使用し、五重の『強』印の蹴りでラービットを追い払います。そこに居合わせたB級の茶野隊に人型近界民に間違われるトラブルもありましたが、A級5位の嵐山隊も合流し、ラービットを撃破します。

B級隊員は全員合流せよという指示を受ける修ですが、千佳が避難救助をしている地区の防衛が後回しにされることを懸念して、修は避難救助を行う(千佳を含む)C級隊員の援護を申し出ます。これはC級隊員は基地外での戦闘が禁じられているからです。

しかし城戸司令はC級の援護に向かうのは修だけで、空閑はこのまま警戒区域内でトリオン兵を排除するように命令します。これでは修が単独行動をしなければならなくなってしまいますが、そこに嵐山隊の木虎が修との同行を申し出ます。これがなかなかいいシーンで、少し前まで訓練兵だった修と近界民である遊真が、ボーダー本部のエリートであるA級隊員と一緒に行動することに、ある種の痛快さを感じました。

敵の近界民はラービットによる隊員捕獲以外にも、爆撃用トリオン兵のイルガーを基地に特攻させて本部を直接攻撃しようとします。が、ここでも間一髪、A級総合1位の太刀川の登場によって難を逃れます。結果だけ見れば上手く敵の攻撃を凌げているようですが、近界民の狙いはまだまだ掴めておりません。

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修の懸念どおり市街地へのトリオン兵の侵入が始まり、修と木虎はそこへ向かいます。そこで千佳らC級隊員と合流しますが、そこにはなんとラービット(しかも色と形が今までのものと違う)がいました。新型のさらに新型の登場です。

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その上もう一体戦闘用トリオン兵モールモッドも登場し、木虎は新型ラービット、修はモールモッドをそれぞれ一人で相手しなくてはならなくなります。

モールモッドはかつて修が1巻で負けたトリオン兵ですが、見方を変えれば、それから修が風間、緑川との模擬選、そして玉狛での仮想訓練を経てどれだけ成長できたか試すのに絶好の相手、とも言えます。

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果たして修と木虎の運命は勝てるのか、そして6巻最後でようやく明らかになる近界民の目的とは…!?な6巻です。

城戸さんに「トリオンモンスター」と言わしめた千佳の戦闘シーンもありますし、本体表紙の登場人物紹介おまけのtwitter質問コーナーも読み応え充分でした。次の7巻では迅や小南など玉狛チームの活躍、そして人型近界民の登場が期待できます。楽しみですねー。

 


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