耽美的で背徳的な三角関係を描く「うわこい」第一巻の紹介です。エロも期待していいですよ(笑)
主人公は高校生の男の子、環雪輝(たま ゆきてる)と、そのクラスメートのユノとレナの三人です。
男一人と女二人の三角関係なのですが、これがなかなか難儀で面白いのです。
ユノとユキテルはとても仲が良く、クラスでも公認のカップルのような扱いを受けています。しかもなんとユキテルは、理由あってユノの家に居候しています。
ユノは三姉妹の次女なので、イメージとしては「よつばと」のお隣さんの風香に彼氏がいて(!)しかも居候している(!)と考えてもらって結構です(笑)
彼氏彼女のユキテルとユノ、そしてその友人のレナの三人、はたから見ればそのような関係が、ある日を境に変化します。いえ、変化して然るべきだったのかもしれません。
放課後、部活の陸上に精を出すユノを横目に、ユキテルは教室でレナと遭遇します。レナは「水泳の忘れ物を取りに来ただけ」と偶然を装っていますが、そのときユキテルの頭に浮かんだのは、以前教室でレナと口づけをした記憶でした。
「ユノという恋人がいながら どうしてわたしを受け入れたの?」
二人きりの教室で、レナはもう一度キスをしてほしいとユキテルを誘います。もしもこれに応じれば、ユノを裏切ることになります。
しかしユキテルが選んだのは、ユノという存在以上に大きい、レナへの好意でした。結果的に、ユキテルとレナの二人は、キス以上の一線を越えます。
レナと体を重ねてしまったユキテルですが、ユノと別れることも、レナとのことを無かったことにすることもできません。ユノとの”恋人ごっこ”とレナとの”火遊び”がずるずると続きます。この歪な三角関係の行きつく先は…というお話です。
イメージとしては「よつばと」のお隣さんの風香に彼氏がいて(!)しかも居候している(!)、さらにその彼氏は風香に内緒でしまうーとセックルしてる(!)と考えてもらって結構です。(キャラの外見は全く似ていませんが…)
以上で簡単な一巻冒頭のあらすじ紹介を終わりますが、もう少し人物紹介をしたいと思います。
なぜなら、この物語は”可哀そうな少女ユノ”と”魔性の女レナ”という単純な構図ではないからです。
ここがこの「うわこい」のミソだと思います。
キスをせがんだり、朝にユキテルの布団に入り込んだり、ユキテルとならエッチしても良いと微笑むユノは、無垢な少女のようです。
しかしその実、だだをこねてユキテルを同居させていることや、カップルであることを周りに公認させるということは、外堀を埋めてユキテルを拘束しようとする行為と捉えることもできます。もちろんユキテルがこれを拒めばよいのですが、そう簡単にもいきません。長年の同居生活で芽生えた愛情を簡単に切り離すことはできないからです。
一方で、冒頭では不敵な笑みを浮かべてユキテルを誘ったレナですが、実は純粋にユキテルのことが好きなだけで、ユキテルへの冷たい態度も自虐の裏返しで、本当は心優しい女の子なのです。
このレナの表情が、ときおり切なさを感じさせます。一見高みからあざ笑うかのようで、既成事実でユキテルを縛るユノのことをうらやましくも思っており、それ故に諦観すらしています。おばけ屋敷で子供のように怯えるシーンが印象的でした。
…ちょっと説明し過ぎちゃいましたね(笑) これ以上ネタバレが酷くなるといけないので、後は考察にでも書きたいと思います。
僕は「ディアティア」のような甘口ラブコメも好きですが、どちらかと言えば、この「うわこい」や「うそつきパラドクス」、「失恋ショコラティエ」のようなドロドロしたラブコメが好きなのです。
また、エッチなシーンのあるラブコメも好きです。この「うわこい」(←徒然なる一日さんの記事)は青年誌のなかでは結構エロい方です(10段階中9くらい)…ですが、もっとエッチな漫画が読みたい方には、同じ作者さんの「あきそら」(カートゥン☆ワールドさんの記事)をおすすめしておきます(笑)
続きの記事はこちら(うわこい 2巻)
うわこい(1) (ヤングキングコミックス)
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